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オーケストラこぼれ話

Episode  12

昨年引退された指揮者の井上道義さんは、音楽的にも人間的にも大変魅力的な方でした。あだ名が「ミッキー」です。ミッキーマウスからきているのだとか・・・まず、あのすいこまれそうな瞳!指揮台の上から演奏中に楽員全員と目が合うほど、オーケストラ全体、隅々までアイコンタクトをなさっていました。私は目が合うたびにドキッとして、音を外しそうになるほどでした。指揮棒には強烈なパッションが宿り、弾きながら引っ張られていきました。特にショスタコーヴィッチチクルスは、秀逸でした。なんと表現したらいいのか、彼にしかない、彼による、彼だけの音楽とでも言いましょうか、スターリン政権下の(現代のロシアを彷彿とさせる)緊迫した音楽の表現が得意であったのだと思います。オペラも数多く指揮していただきましたが、私は「トゥーランドット」が忘れられません。

そしてなんといっても「おしゃれ番長」でした。表現が古いですかね・・・でもその表現がしっくりくる!と思うのは私だけでしょうか。オケの練習の休憩後は必ずお召替えされていました。いったい何着持って来ているのでしょう。本番のタキシードは裏地が真っ赤なサテンだったり、金の刺繡が施されていたり、チラッと見えるおしゃれに脱帽です!

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