Episode10
オーケストラのプログラムは、例外はもちろんありますが、1曲目は序曲、2曲目は協奏曲、インターバル(休憩)があり、最後に交響曲というのが定番です。協奏曲は、いろいろな楽器のソリスト(ゲスト)が演奏する曲(協奏曲)の伴奏です。ソリストは大抵は自分の楽器を持って来て本番演奏します。ただし、ピアニストだけは例外で、ホールが所有しているコンサート用の大きいサイズのグランドピアノで演奏します。理由はとてつもなく大きいし重いし、運搬にコストがかかるからだと思います。
1週間くらいの地方ツアー(演奏旅行)がありました。オーケストラの楽団のトラックには、楽員が自分で運ぶことが困難なコントラバスやティンパニー、ハープ、各楽器の楽譜などが積まれて、陸路を走って会場入りします。それらは、各ホールに搬入されます。そのツアーの搬入口には何故かいつもトラックが2台停まっていたのです。そのプログラムの2曲目はピアノ協奏曲でした。ピアニストの方がなんとご自分のグランドピアノを持ってきていて各ホールに搬入するとのことでした。当時は、東京と違って地方のグランドピアノの状態が良くなかったのか、そのピアニストの方の演奏には自分の楽器の音色が不可欠だったのか、今となっては分からないのですが・・・