Episode 3
渋谷に新しくシューボックス型のホール(オーチャードホール)ができ、その当時、私たちのオーケストラはそのホールを本拠地とするため、音響効果などの協力をしていました。
オーチャードホール定期演奏会のほかに、東急ポップスオーケストラという名称で1年に1回「東急TOPSコンサート」(10年続きました)というのがありました。
前田憲男さんの軽快なトークと相まって、毎年「大入り袋」が楽団員に配られるほど人気のコンサートでした。
休憩時間には、ロビーでお客さんにシャンパンの提供もされていました。
なんと、私たちにも舞台裏にシャンパンのグラスがならんでいるではありませんか!
グラスのシャンパンを飲み干し、休憩後の1曲目は「キラキラ星変奏曲」です。
ほろ酔い機嫌の指揮者の前田さんと楽団員たちはアップテンポになったのにもかかわらず、さすが!という演奏でした。
でもまだお酒の弱かった私の心臓はこれまでにないくらい速く打ち、指もこれまでにないくらいの速さの演奏だったのです。