NEWS

オーケストラこぼれ話

Episode 6

オーケストラに入団した当初はコンサートの多さに驚きました。3日に1回は本番で、練習日は1日か2日、多くて3日でした。スケジュール表に記載されている「休日」は2日か3日しかありません。超多忙スケジュールです。コンサートは都内だけではなく地方もありました。なかでも文化庁の演奏旅行(ビータ)は当時、月1回くらいのペースであり、北海道から沖縄まで網羅していました。ビータはだいたい1週間くらいの日程で、毎日本番です。ホテルと乗車券は事務所から支給された旅費で自由に自分で手配します。最初のビータは、目的地までその都度切符を買って移動していました。途中で、有金の減り方が何かおかしいと思い、んっ?支給された額をはるかに超えてるではありませんか!!途方に暮れていると、ビータに詳しいコントラバスの団員の方がいろいろと教えて下さいました。

「周遊で買うんだよ。」

「まず一番遠い駅まで買って、有効期限が長いから途中下車していって最後までその切符で移動するんだ」

「JRの青春18きっぷとかも使える時があるよ。」

「新幹線は金券ショップで6枚つずりの回数券を3人で往復でシェアするんだ。」

旅の仕方を全く知らなかった私は、目から鱗でした。

注釈 ビータとは「たび」を逆さに言う業界用語です。

シェアする